Case04
身分系在留資格の外国人を雇用したいとき
『身分系在留資格の外国人』とは、具体的には「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」の在留資格をもっている外国人のことです。
これらの在留資格をもつ外国人は、日本国内における就労活動の種類・範囲についての制限はなく、他の在留資格では難しい単純労働の作業などでも合法的に行うことができます。
企業側にとっては、一番安全に雇用することのできる在留資格をもった外国人と言えます。
■ 「永住者」の在留資格とは?
日本の企業に就職したことなどにより、日本での居住暦が長くなり、生活の基盤が日本にある場合には、『永住許可申請』 の手続きを行うことにより「永住者」の在留資格を取得できる場合があります。
「永住者」の在留資格を取得すると、在留活動や在留期間に対する制限がなくなり、自由な活動が可能となります。ただし、帰化申請とは異なり、外国人であることに変わりはありませんので、在留カードの携帯義務や、在留カードの期間更新の手続などは必要です。
なお、入管法では、在留資格「永住者」での上陸許可を行うことはありませんので、一定の条件を満たしたときに、在留資格の変更(あるいは取得)の手続をとることになります。
■ 「日本人の配偶者等」の在留資格とは?
日本人の配偶者もしくは特別養子、または日本人の子として出生した者に与えられる在留資格です。
「配偶者」は現在婚姻中であることが必要であり、死別した場合や離婚した場合は含まれません。また、事実婚は認められず、法律婚であっても、実質上の婚姻関係(同居していることなど)がなければ認められません。
「特別養子」とは、民法第817条の2に定める養子のことで、一般の養子は認められません。
「日本人の子として出生した者」とは実子のことですが、嫡出子のほか、認知された非嫡出子も含まれます。
■ 「永住者の配偶者等」の在留資格とは?
次の場合を言います。
①「永住者」の在留資格をもって在留資格をもって在留する者の配偶者
②入管特例法に定める「特別永住者」の配偶者
③「永住者」の在留資格をもって在留する者の子として日本で出生し、引き続き日本に在留する者
④入管特例法に定める「特別永住者」の子として日本で出生し、引き続き日本に在留する者
■ 「定住者」の在留資格とは?
法務大臣が人道上、あるいはその他の特別な理由を考慮した上で、個々の外国人に対して与えられる在留資格です。よくあるケースとしては、以下のような場合が考えられます。
・日本人と結婚した外国人配偶者の連れ子を外国から呼びよせる場合
・「日本人の配偶者等」の在留資格をもつ外国人が、離婚をした場合
・先祖が日本人である日系ブラジル人など
また、"「日本人の配偶者等」の在留資格をもつ外国人が離婚をした場合には必ず「定住者」の在留資格が与えられる" というわけではありませんので、すでに「日本人の配偶者等」の在留資格をもつ外国人を雇用している場合で、その者が離婚をするような場合には注意が必要です。
■ 関連条文(一部省略・加筆)
・民法第817条の2 | 家庭裁判所は、一定の要件があるときは、養親となる者の請求により、実方の血族との親族関係が終了する縁組(以下この款において「特別養子縁組」という)を成立させることができる。 |